評定合計23(中2後期)→29(中3前期)のワケ

2019.10.20 Sun by 個別指導塾maru

9月上旬には前期期末試験も終え、近隣中学校では10月上旬には前期が終了。

特に中3受験生にとっては大事な「数字」が確定しました。

そう。通知表の評定ですね。

 

5段階評価の9科目、45が最高値としてそのうち自分がいくつになるのかは、とりわけ公立高校を志望する生徒にとっては非常に重要になります。

現在の公立高校入試制度では「中2後期」と「中3後期」の評定を内申点として換算しますので、今回の「中3前期」の数字は計上されるわけではありません。

しかし当然、前期を踏まえての後期の成績ですから前期の結果をしっかりと受け止め、後期の成績アップに向けて取り組むことが大切です。

 

 

今回、中2後期→中3前期で大幅に評定が上がったのは中3女子Mさん。

合計で23から29と全体で6も上げることが出来ました。

評定「2」だった4つの科目はすべて「3」になり、「3」だった科目のうち2科目は「4」になりました。

中2の後期成績がほとんど確定していた時期に入塾してきたので最初の面談では「まず通知表の2をなくすこと」を目標に頑張ってきました。

今回目標を達成できたことはMさんにとっても「やれば出来るんだ」という自信になったことでしょう。

 

ただ、受験において重要なのは前述したように次の「中3後期」の評定です。

せっかく前期の評定が良くなっても気を抜いてしまえば次の後期の成績でまた元に戻ってしまいかねません。

逆に頑張り次第ではまだ伸ばせる可能性があります。

Mさんで言えば、「3」をキープすべき科目、「4」や「5」を狙える科目を現実的に分析し、そこに対する取り組みが次の後期中間テストに向けて大切なのです。

 

 

ここで目を向けなければならないのは、「3」や「4」といった評定だけでなく「観点別評価」です。

「評定」は「観点別評価」の総括です。

「観点別評価」は国語を除いて、4つの観点をA゜(4点)、A(3点)、B(2点)、C゜(1点)、C(0点)でそれぞれ評価します。(国語は5観点)

「評定」はこの「観点別評価」の合計によって定まります。

数学を例にとって評定に至るモデルケースを見てみましょう。

 

観点別評価の例①)

・数学への関心・意欲・態度・・・A

・数学的な見方や考え方・・・A

・数学的な技能・・・B

・数量や図形などについての知識・理解・・・C

 

観点別評価の例②)

・数学への関心・意欲・態度・・・B

・数学的な見方や考え方・・・B

・数学的な技能・・・B

・数量や図形などについての知識・理解・・・C゜

 

パッと見た感じ随分と印象が違うような気もしますが、例①も例②もどちらも評定は「3」となります。

細かい評定基準については割愛しますがざっくり言えば、例①は「4」に近い「3」です。

例②は「2」に近い「3」ということになるのです。

ただ数字だけを見て一喜一憂するのでなく、この数字の「中身」をきちんと認識することが大事ですよ、ということなんです。

 

「関心・意欲・態度」がBなのは期限を守れなかった提出物があったのかもしれません。

「見方や考え方」がAなのはテストでの文章題や応用問題がそれなりに解けたのかもしれませんが、にもかかわらず「技能」がBなのは単純な計算問題でミスが多発したのかもしれません。

「知識・理解」がCなのは用語などの意味をしっかりと理解し、覚えていなかったのかもしれません。

 

 

こうしたことを生徒と共有し認識させ、次に向けてどう取り組むべきかを確認し合います。

今回の前期評定がそれまでと変わらなかったとしても「観点別評価」がどう動いたのか。

例えば、前回と同じ「3」という評定だったとしても「4」に一歩近づいたのか、はたまた「2」に下がる寸前で持ちこたえたのか。

生徒それぞれの力量や目標、他の科目との兼ね合いなどにもよりますが、その違いは次に向けてどう取り組むかを大きく左右します。

 

Mさんに関しては、例えば数学は「3」に上がりましたがギリギリの「3」です。

「じゃあ次は4を狙おう」という気持ちで取り組むことはもちろん素晴らしいのですが、「なんとしてでも3をキープする」という姿勢の方が彼女にとっては現実的なんです。

そうなるとテストに向けては闇雲に応用問題に取り組むよりも「基本的な問題を確実にこなす」、「とれるはずの問題で絶対にミスをしないようにする」ことを主眼においた指導が優先的になります。

 

また、国語については「3」のまま評定が変わらなかったのですが、中身を見ると観点別評価合計が8から12に上がっていました。

あと1点分評価を上げれば「4」に出来るのです。

今回の観点別評価では「言語についての知識・理解・技能」がBでしたから、例えば漢字の読み書き問題でもっと点数を取れればAに上がる可能性が上がり、そうすれば評価が1点上がります。

観点別評価に目を向ければこういった具体的な問題点や対応策が見えてくるのです。

(こういった話は中3のこの時期の学校三者面談でも話題になっているとは思いますが)

 

最終的な内申を決める次のテストまでの限られた時間の中で、生徒の志望校の内申レベルとそこに対する到達度を照らし合わせながら、「この科目の評定はこのままキープできれば万々歳、そのかわりこっちの科目に力を入れて上げるように頑張っていこう」といった戦略的なアドバイスをおくることが必要にもなってきます。

「全部4や5にするつもりで死ぬ気で頑張れ!」と言うのは簡単ですが、それではやるべきことのポイントが絞れずどれもこれも中途半端で終わってしまいかねない生徒もいるからです。

まして、目標も学力状況も得意不得意もモチベーションも性格も全員違う生徒の集まりなのが「個別指導塾」です。

個々の状況を踏まえて指導を行うのが大前提としてあるのです。

 

 

様々な理由もあり「集団塾が合わないかも」ということで転塾して来たMさんでしたが、当塾の個別指導授業の中で「今学校で何を学習しているか」、「次のテストではどこまでを目標に取り組んでいくか」、「そのためには何からこなしていくべきか」、「自分の分からないところはどこなのか」など、担当講師とひとつひとつコミュニケーションを取りながら一緒に進めてこれた事が今回の結果に繋がった大きな要因だったと思います。

問いかけなどに対してもきちんとリアクションしたり、自分の考えや疑問なども臆せず言うことが出来、指示されたことはきちんとこなすことができていたMさん。

夏期講習や土曜の演習コース(理社)も集中を切らさず頑張っていましたが、声をかけるといつもニコニコしている様子が印象的です。

Mさんに限らず中学生全員とは前期の通知表の結果を共有し、次に向けて「何をどう頑張っていくのか」をまた一緒に確認しながら後期中間テストに向けて取り組んでいきたいと思います。

 

個別指導塾maru

 

 

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