入試問題の「分析」と「戦略」

2017.10.16 Mon by 個別指導塾maru

先月、教育開発出版さんが主催するセミナーに参加してきました。

神奈川県の公立高校入試問題傾向の分析および対策についてのお話です。

入試問題について、同じような傾向と対策は数年は続きます。

一年ごとで問題の傾向が激変するわけではありませんが、とはいえ細かな変化をチェックしつつ生徒の受験対策へと生かしていかなければなりません。

 

神奈川県の公立高校においては2013年の入試改革により、選抜方法自体に大きな変化があったとともに入試問題についても出題形式、難易度が変わりました。

 

簡潔に言えば「それまでより難しくなった」といってよいでしょう。

 

「全国1、2位を争うほど簡単な神奈川県入試」と言われていたのが一気に他の都道府県レベルにまで近づいた(科目によっては極端なほどに・・・)のがこの年からです。

そこから毎年、科目によっても若干の難化、易化の変動はあるものの、大筋の出題傾向には大きな変化はないまま今年度まできています。

ただ、昨年度から「マークシート方式(記述式も併用)」が導入されたことは、システムとしてちょっとした変革でしたね。

さて、そんな「難易度が高まった入試問題」への対策ですが、まずしっかりと「分析」をして「戦略」をたてることが重要です。

「勉強に戦略だなんて・・・」と思うかもしれません。

 

でも、やみくもに「努力しろー」、「頑張れー」、「とにかくやりまくれー」だけではダメなんですね。

 

難易度が上がったと言っても、頭からつま先まですべての問題が「バカ難しい問題」というわけではありません。

そして、勘違いしてはいけないのが「満点」をとる必要はないということ。

人によってはとる必要がある生徒もいるかもしれませんが、大部分の受験生に必要なのは、「志望校に合格するために必要な点数をとること」です。

目指す高校によっては人それぞれですが、500点満点中400点が必要な生徒もいれば、300点の生徒もいるでしょう。

内申点に余裕があっての受験であれば、もっとハードルは下がるかもしれません。

 

大切なのは、例えば300点が必要な生徒であれば、平均して1科目あたり60点の点数をいかにとるか。そのための勉強をいかにして進めていくかです。(300点が必要な生徒に満点を目指す勉強は必要ありませんし、それをしていたら300点すらとれない可能性もあります)

そのための「分析」と「戦略」なのです。

まずは入試問題の正体を知ること。

 

さほど得意科目、単元でなくても基本知識だけで正答できる問題は必ずあります。

一見難しそうだけど意外とやってみたら難しくなかったり、確かに難しい問題なのだけれどそれは多くの生徒にとって「解けなくてもよい問題」だったりもします。

 

 

国語の記述問題(100字~120字で書けなどの)では、見ただけで拒絶反応を起こす生徒もいますが、腰を据えて取り組んでみたら文章中からほぼそのまま引用して答えられる問題だったりします。

 

英語についても、英作文と聞くと「うぇっ」となってしまう子が多いですが、書き出し語句や使用語句、語数が限られていたりすると、コツさえつかんで練習すれば案外書けるようになったりします。

 

数学の証明問題はおなじみですが、苦手な生徒は、完答できなくても「頑張れば部分点」というご褒美があります。いつまでも苦手であればその分、他の「出来そうな分野」で確実に正答させるような意識を持つことです。

 

また、「時間配分」も重要ですね。

受験勉強を進めていく上ではこの意識を徐々に高めていくことが必要不可欠です。

 

試験本番では「限られた時間内で1点でも多くとる」ことが求められるので、問題によってはいったん「飛ばす」、場合によっては「諦める」、そのあたりを「見極める技術」と「実践する潔さ」を持たなくてはなりません。

難問に引っかかって時間がなくなり、その後に出てきた「解けそうな問題」も落としてしまう、なんていうことがないように。

 

 

まずは各科目において、「どういった形式の問題で、どういう問われ方をしているのか」の分析、そして「この手のパターンだったら覚えていれば解けそう」とか「この問題は時間が必要」などの戦略のイメージを持つことです。

 

自分の得意不得意、目標に合わせて学習する科目、単元、問題レベルの優先順位を定め、「分かる問題」を「確実に得点する」ような戦略を組み立てていきましょう。

 

それには過去問に取り組んだり、模試を受けたりして自分なりに考えて行動を起こすことです。

もちろん塾でも入試対策はこれから本腰を入れていきますが。(受験生は覚悟しておくように)

 

 

そして当たり前ですが、「分析」して「戦略」を立てて終わらないように。

そのうえで「努力して、頑張って、やってやってやりまくること」ですよ!

 

 

個別指導塾maru

 

 

 

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